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アセスメント、ケアプランの作成、モニタリングなど、利用者と直接的に関わる業務のほかにも、ケアマネジャーには給付管理業務という重要な仕事があります。その月のサービスが始まるまでに利用者にはサービス利用票を、サービス提供事業者にサービス提供票を交付します。この利用票や提供票は、「サービス予定表」の意味があります。また、月末、サービス提供者からケアマネジャーに交付するのが「サービス提供票実績」で「サービスが予定に対してこれだけ提供されました」という結果票の意味があります。
給付管理業務とは、介護サービス提供事業者に保険者(市区町村)から介護報酬が適切に支払われ、また利用者からの利用料も適切に徴収されるように管理するために行います。この管理を行うために必要なのが給付管理票(レセプト)で、提供されたサービスの種類や単位などを記載します。このレセプトは、サービス事業者側と結合しサービス回数や提供時間などを合わせておく必要があります。サービス事業者とケアマネジャーでレセプト内容が違っていれば、介護報酬がおりません。ケアマネジャーは、利用者に対してサービスが行われたかどうかを毎月確認し、給付管理票を作成します。
ケアマネジャーはケアプランの原案を作成した後、利用者や家族からの了解を得て正式なケアプランを作成し、実際にサービスが提供されるよう各事業者へ連絡します。その後、サービスが円滑に行われているかを継続的に確認し、調整をする必要があります。この業務をモニタリングといいます。
ケアマネジャーは、特別の事情がなければ1月に1回は利用者宅を訪問し、1月に1回はモニタリングの結果を記録することとされています。このモニタリングを怠ってしまうと減算対象となります。
施設サービス利用を計画した後も、定期的に利用者や家族、各サービス担当者とコンタクトをとり、入所者のニーズに変化がないかを把握する必要があります。
課題分析(アセスメント)や、ケアプランの原案の作成はケアマネジャーだけで行いますが、実際にサービスを提供する際には、事業者や関係機関と連携をはかることが必要です。
そこで、ケアマネジャーは、各サービス事業者を招集し、作成したケアプランの原案について意見を交し合う場であるサービス担当者会議(ケアカンファレンス)を主催します。ケアカンファレンスは利用者や家族が参加することが必要ですが、そうでない場合には、課題分析表やケアプランの原案などを各事業者に開示することの了解を得ておきます。
ケアマネジャーがケアカンファレンスで提示するケアプランの原案は、ほぼ確定した内容のものとなります。これをもとに各事業者がスケジュールを決めます。このとき利用者や家族の希望を第一に考えたスケジュールを検討することが望ましいでしょう。
ケアカンファレンスの主宰者であるケアマネジャーは、各事業者にサービス提供を行える時間帯や曜日をあらかじめ確認したうえでカンファレンスへ参加するよう伝え、会議のスムーズな進行をはかりましょう。
ケアカンファレンスはケアプラン作成後も、必要に応じて開催します。
利用者の身体的状況や住環境などが変わりケアプランの内容に修正が生じた場合は、各事業者間で共通認識を得るために、ケアカンファレンスを開催します。
利用者の生活の質の維持、向上させる上で障害となる問題を明らかにし、利用者の生活全般を把握しておくことが求められます。この問題点の把握を、課題分析(アセスメント)といいます。
アセスメントを行うために、把握しておきたいのは次のような点です。
このように、利用者のニーズを把握して、それに対応する人々や団体組織などの社会資源を明確にするために
用いるのが課題分析票です。
どの課題分析票にも共通する七つの要素があります。
アセスメントの際には、利用者の一部を見るのではなく、このような身体機能的状況、精神心理的状況、社会環境的状況などを関連させて、その人を全体的にとらえることが大切です。
これらのうちどれに重点をおいてアセスメントを行うかは、利用者によって異なります。ケアマネジャーには、利用者の生活の全体性・個別性・継続性・地域性といった観点から、利用者のニーズをとらえていく姿勢が求められます。
インテークとは受付時・初回の面接のことを言います。要介護認定を経て、要介護度が決定すると、どのような介護サービスを提供するかといったケアマネジャーの業務が始まります。ケアマネジャーは、要介護者や家族が相談しやすいような雰囲気を作り、相談内容や困っていることなどを受け止める必要があります。インテークの際のケアマネジャーの対応がそれ以降の信頼関係形成に大きな影響をおよぼすことになるのです。
インテークは必ずしも一度で完了するものではありません。相談内容や隠れたニーズを何度かの面接で明らかにしていきます。
ケアマネジャーは自己紹介をして、自分の役割や仕事の内容について説明します。
ケアマネジャーは要介護者や家族の訴えを手がかりに、その内容と背景を的確につかむことを目指します。この時、利用者が話をしやすい受容的な態度で、その人の話に注意深く耳を傾けます。
利用者の訴えをふまえた上で、介護保険制度のシステムやサービス提供機関とケアマネジャーなどの役割、市区町村などが提供している情報について的確に伝えます。
インテークではケアマネジャーだけが情報を得るのではなく、利用者にも自分に必要なサービス、選べるサービスについて理解してもらい、ケアマネジャーからの助言を得るというように、双方向的なものであるべきです。
面接の過程で見えてきた問題を整理して、援助の目標とサービス内容を決めます。どのような効果が得られるかなど、できるだけわかりやすい言葉で伝えます。
利用者の抱える問題と必要なサービスがみえてきたら、援助計画(サービス内容や提供方法など)について話し合い、合意を得ることが必要です。
利用者や家族は、初回面接(インテーク)を通じて自分たちのニーズに対応する介護サービスについて検討します。
介護保険サービスを受けるために、被保険者が市区町村に申請を行うと、市区町村は申請者の日常生活の動作や問題行動の状況について訪問調査を行います。
訪問調査では、全国共通の認定調査票を用いて、被保険者の心身状況などを調査します。また、市区町村は、被保険者の主治医から病気の状況などについて医学的な意見を求めます。主治医がいない場合は、市区町村が指定する医師の診断を受けます。被保険者認定調査や主治医の診断に応じない場合、申請は却下されます。
介護保険制度においては、要介護状態、要支援状態になった時に、介護サービスを受けることができます。要介護状態等にあるか、またその程度の判定をするのが要介護認定であり、市区町村の介護認定審査会で判定される。要介護認定基準は全国一律です。
介護保険のサービスを利用したい本人または家族は、市区町村に要介護認定の申請を行う必要があります。65歳以上(第1号被保険者)の場合は、申請書と被保険者証をあわせて市区町村に提出します。40~64歳(第2号被保険者)の場合は、該当する特定疾病名などを記入した申請書と医療保険の被保険者証をあわせて提出します。
申請の手続きは、被保険者本人や家族に代わって、ケアマネジャーの勤務先でもある居宅介護支援事業者や介護保険施設などが行っており、その割合は現在8割となっています。
一次判定は、訪問調査の結果と主治医の意見をもとに、コンピューターによって行われます。さらに市区町村の付属機関である介護認定審査会が、一次判定の結果と主治医の意見書を資料に二次判定を行います。
介護認定審査会で判定されるのは
という3点です。
介護認定審査会は、市区町村長が任命する保健・医療・福祉・に関する学識経験者で構成されます。
高齢者の心身の状態は変わりやすいので、常に適切なサービスが利用できるように、一定期間ごとに状態を確認する必要があります。そのため、介護認定には有効期限が設けられていて、期間満了の前に更新を行う必要があります。更新する場合は、申請のときと同様の手続きで行いますが、利用者の承諾がなければ代行することはできません。
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